kakasi-1994-katu10のブログ

薪ストーブとお山とテレマーク

薪焚くひとの思案とき 5W1H -6(この項最終)  #8

疲れたァ~


                                                               動的平衡
 ストーブを取り巻く環境は、設置されている部屋のみならず、建物全体で、標記の現象が起きている。まず直近では、200kgに近い重量を持つ鉄の塊を焚きつけてから20~30分で200℃近くの温度に達する。1時間もすれば部屋の温度は、快適な20℃を少し下回るくらいに達し、起き抜けに着ていた「上っ張り」を脱ごうか迷うことになる。以降次々とまきを投入し加熱、蓄積を重ねないと、この快適な温度20~23℃を持続することができない。 裏を返せば薪の燃焼から得られる総熱量から煙突を通り、大気へと放熱される分を除き、室内へ放熱された熱は、室内の様々な箇所で一旦蓄熱し、外壁を介して大気へと放熱されているわけである。またストーブ内においても灼熱の炉内で発生した熱は、瞬く間に表面が冷却され一定の表面温度を保っている。家屋もストーブも、内側からは加熱、外側は冷却を間断なく繰り返している。 逆向きのベクトルが、加熱と冷却をストーブと建物の表面部分で熱交換を常に行いながらも、室温は常に一定を保っている。時間とともに至福のときが遷移するが、「薪焚くひと」が、あたかもFFファンストーブの「自動制御」の代わりにせっせと釜番をしいるからこそこの「動的平衡」は、薪継ぎを繰り返す限り継続する。


 前回#6のブログで少しふれたが、「薪焚くひと」5W1Hの一番の思案時で、頭を使うのが初冬、春先の焚き方だ。この時期、まさに格闘の真っ最中である。先日(H31.3/20)の飛騨高山では、朝の最低気温が-0.6℃、最高気温が20.3℃を記録した。
150℃で細々と焚く、「チリチリといやらしくないほとりを感じる程度」の温度で、加熱と冷却を同時に繰り返す。外気温が高いと、建物からの冷却もゆるくなるし、南側の日当たりの良い所では、直射日光や外気からの加熱もある。ここに当日以降の薪消費日報を掲載するが、前号掲載の表-1「季節別薪投入量目安」の欄で見ると、朝「中」で焚き付けし、9時30分以降徐々に気温が上がり、薪置き場で薪の天地返しをしていたが、汗ばむほどだった。


 わたしは、「薪消費日報」を5年前からつけているわけだが、今年度(半世紀以上生きている私が経験したことのないような暖冬は記憶にない)を除き、一日14~15時間の稼動で、厳寒期は一日約30kg/day、一時間当たり2.0kg/hrを焚いている。またシーズン中の平均燃費消費は同28kg/day、1.7kg/hrで総薪重量は年ごとの稼働日数によりことなるが、毎年4.2t+α(0.1~0.2t)程度を薪(乾燥重量)を消費している。今年は暖冬で今のところ通算燃費は1.6kg/hrで一割ほどの節約くらいになりそうだ。
 仮に上記厳冬期に石油ストーブで暖房をしようとすると、30kg/dayの薪消費で得られる熱量と、これを灯油で賄うとしたら下記の通りである。
30kg/day×4,800kcal/kg=144,000kcl(一日稼動時間:14~15hr、4,800kcal:薪1kgの熱量)
144,000kcal÷8,700kcal/ℓ=16.6ℓ  (8,700kcal:灯油1ℓの熱量)
 ザット1時間1ℓである、サンポット並みだ。ちょっとした田舎の公民館の座敷で使用する大型石油ストーブ相当だ、いやはやなんとも恐れ入るがカーボンニュートラルから言えば、何の後ろめたさもないが~


 以下に上述のH31年3月20日以降の何日分かの薪消費日報を掲載するが、まことに悩ましい日々が、わが飛騨高山では4月の中旬頃まで続く。
 薪継ぎの間隔が、真冬のときは1時間30分の頻度が多かったが、この時期には2時間で十分になってきたし、昼間温度上昇が激しいときは、3時間間隔でも許容される時も出てきている。
 「気候別薪投入目安」の期待値、放熱量60%若しくは以下、ストーブ表面温度150℃はキープしているが、全室の仕切り戸は全て開放状態である。3/20の運行状況結果を見ると、昼をはさんで約7hrはさすがに「お休み」だった。

 薪焚くひとの思案とき 5W1Hについて6回にわたって、私の積年の想いを書き綴ってきた。文章にしてみて、だいぶ整理(自分の頭の中)ができたと思う。


 先日3月始めに、森林組合から薪の原木を配達するとの連絡が入った。いつもより一ヵ月半も早い連絡だったので、理由を問うたら「今年は山の雪が無いので、作業を早めたと」いやはやなんとも、迷惑な話だ。 なにせ本年度分の薪置き場にはまだ1ヶ月分以上の薪が残っているのに、どうしたもんか? 本シーズンはお山の雪も少なく、テレマークスキーもろくにできず、ならばとスキー場へ出向くも、1月、2月なのに春山スキーの様相でまったくのはずれ年だった。無念である。


 薪割り道具をごそごそと、確認しながら、なにやらニヤニヤしながら~ そろそろ薪活の始まりか。

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