kakasi-1994-katu10のブログ

薪ストーブとお山とテレマーク

薪焚くひと -6(薪の歩留まり-4 最終)      #12

「何かごよう?」


 薪の歩留まりに関する非常に重要で最も悩ましいことは、薪の含水率に関することである。 通常薪ストーブに使用する薪の含水率は、必ずメーカーのマニュアルで表示されていることと思うが、「Jotul」では、20%以下の薪が「”質の良い薪”1㎏のエネルギーは約3.9kW/hです。」と説明書きがあるし、私が使用している薪も、二年乾燥したものであるが、中華製含水計で測ると15%±2%であり、燃焼状態も、特にフロントガラスが曇ったり、煙に関しても支障がないことから、一般的な薪のコンディションであると考えている。
 さて、私の薪は大体恒常的に15%になっているので、今後この数値を使うとするが、含水比が15%の1㎏の薪一本とは何ぞや? 今まさにストーブに放り込もうとしている一本のこの薪は、二夏前の春に原木から玉切、割りを経てできたものであり、当時はもっと目方があったものである。 当時、いったい何キロの原木がこの薪になったのかである。
 春に購入する原木の含水比を一本々測ることは不可能であるから、一般的に言われている含水率40~50%として、逆算してみる。
1、1tの丸太の内訳は500㎏の水分と同量の絶乾木材である。
2、薪の含水率を15%(15%=50%-35%)とすると、35%が乾燥し大気に戻った水分で
   ある。
3、1tの丸太は、二夏を経て、500㎏+150㎏=650㎏の薪となるのである。
4、従って、今まさに燃やそうとしているこのまきは、二夏前には1㎏÷0.65㎏=1.54㎏の
  生木であったことになる。
5、薪の乾燥に関する減歩は65%である。


 ※これらの数値は、精度がわからない中華含水計をもとにし、しかも電気抵抗から割り出す含水比を基にし たもので、あくまでも理屈上の論理の展開であることを了承願いたい。


 最大の懸案事項である、薪の乾燥についての減歩は以上であるが、過去五年間の記録から考えると、私の購入する原木の含水率は大体40%程度であり、このことに関する「歩留まりは75%程度」が妥当と考える。


               薪の歩留まり (実績)
 前回ブログで述べた、2018年の残渣、カットロス並びに木っ端の重量は以下のとおりである。
1、切屑(フレコン袋)    10袋×8㎏=80㎏
2、バトン、ピンコロ     19ケース×15㎏=285㎏
3、合計                                365㎏×75%(乾燥に関する減歩)=273㎏


 よって、2018年分の薪の歩留まりは以下の通りとなる。
1、乾燥による減歩 6.2t(#9ブログ表-1)×25%=1.55t
2、残渣 0.3t(273㎏)、いわゆる薪としてはカウントしない
3、合計 1.55t+0.3t=1.85t
4、減歩率 1.85t÷6.2t=0.29≒0.3
5、歩留まり 70%
6、6.2t×70%=4.3tが今冬に使用する「薪」となる。(2018年購入分)


 上述の残渣の処理方法は以下による。

   

・初春のある朝、2.5㎏8本     ・切屑火床に広げる       ・バトン、ピンコロ10個程積度積む


・ 切屑を4㍑ウイスキー用ペットボトルを半分に切って加工した容器で2杯(4㍑程度)火床に広げ薪を置き、手前に着火剤を置く。バトンやピンコロ(10個ほど)を井桁に組んで秘密の着火剤で着火する。ダンパーはニュートラルポジション(写真の黄点)、フロントドアーは全閉ロック、再度ドアーを1㎝ほど開ける。10分程度で全面に火が回り、爆燃状態となるので、ダンパーをニュートラルポジション(黄点)からさらに写真の位置まで絞る(写真-1)。以降20分程度で暖気終了で、通常運航に入る。

・残渣は、全体が細かいため半年で十分乾く、火が回りだすと一気に燃え上がるため非常に有効な焚き付けであるが、薪置き場のスペースが狭く2年分は保管できないため、薪を作ったその年の冬に焚き付けとして使用する。

             

               写真-1                 ・チェンソーの切屑の集積状況


 残渣を焚き付けに使用することでストーブの暖機時間が短縮された。約10分辺りで150℃、20分同で200℃で通常運転が可能になった。 薪作りの副産物として、ストーブを導入し始めたころ(25年前)は厄介者と考えて扱いもぞんざいに考えていたが、5年前の退職を機に薪活に従事する時間が増えたこともあり、今や重要な薪の一部としてとらえている。

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